アフィリエイトとは?仕組みや報酬までの流れを解説
企業が自社商品やサービスのプロモーションを行う方法の1つに「アフィリエイト」があります。
アフィリエイトが成功すると少ないリソースでも大きな効果を期待できるので、これから売上拡大や利益の極大化を図りたいと考えている企業にとっては積極的に活用したい施策です。
本記事では企業向けにアフィリエイトの仕組みやメリット、注意点などを詳しく解説しているので参考にしてください。
費用対効果が高いと聞くけど、本当かな?
どんな仕組みなのか、アフィリエイトを行う注意点も紹介していきますね!
アフィリエイトとは成果報酬型広告
アフィリエイトはインターネットを活用して行う広告施策のことで、「成果報酬型広告」と言われます。
リスティング広告とは違って広告を出稿する段階においては広告費を支払う必要がありません。
「成果報酬型」なので実際に成果が発生した(商品やサービスが成約した等の)際に、売上金額の一部を広告主に還元するといった形式となります。
現代はインターネットを活用したマーケティングの重要度が高まっているからこそ、うまく活用したい施策の1つです。
アフィリエイトの仕組み
アフィリエイトの仕組みは少し複雑で、以下4つの主体が相互に関わり合うことで成立します。
- 企業(広告主)
- メディア(アフィリエイトサイト、アフィリエイター)
- ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)
- ユーザー(訪問者、購入者)
それぞれの主体がアフィリエイトにおいて果たす役割を詳しく解説します。
企業(広告主)
アフィリエイトでプロモーションを行うとしても、対象となる商品やサービスがなければ何もできません。
したがってアフィリエイトにおいては、まず商品やサービスを販売する企業の存在が必要となります。
また企業は商品・サービスを宣伝してもらう立場にあるので、広告主として広告費の支払いも行います。
企業が広告費を支払うからこそ、アフィリエイトは1つの収益ビジネスとして成り立っているのです。
メディア(アフィリエイトサイト、アフィリエイター)
続いて重要なのはアフィリエイトを行うアフィリエイターです。
アフィリエイターはブログやSNSといったメディアを活用して、企業の商品やサービスの宣伝を行います。
アフィリエイターが報酬を受け取れるのは自社のメディアを経由してコンバージョンを達成した場合です。
例えば15%というアフィリエイト報酬が設定された1万円の化粧品があるとしましょう。
記事を読んでくれたユーザーが記事にあるアフィリエイトリンクを経由して商品を購入した場合、1万円の15%にあたる1500円分がアフィリエイターに報酬として支払われます。
逆に自社メディア経由で商品を購入してもらえなかった場合は、1円たりとも報酬が発生しません。
企業としてはいかにアフィリエイターに効果的なプロモーションをしてもらえるかが重要となります。
ASP(アフィリエイト・サービス・プロバイダ)
ASPは企業とアフィリエイターを仲介する役割がある存在です。
ASPは最初に各企業から一括して商品リンクや広告の登録を受けます。
そしてアフィリエイターはASPのサイト内で好きなアフィリエイト対象商品を探し、そのままアフィリエイトリンクを自社ブログにも設置できるということです。
有名なASPとしては以下のようなサイトが挙げられます。
- A8.net
- バリューコマース
- もしもアフィリエイト
- Amazonアソシエーション
企業としてはASPに登録しておけば、後はアフィリエイターが勝手にアフィリエイト広告を作ってくれます。
したがって個別にアフィリエイターと交渉をするといった手間が必要ありません。
そしてアフィリエイトサイトから商品・サービスが購入された場合には「企業→ASP→アフィリエイター」という流れで報酬の支払いが行われます。
またASPごとに登録料金や月額登録費を支払う必要があるケースもあります。
ユーザー(訪問者、購入者)
ユーザーはアフィリエイトサイトを訪問して、商品やサービスが気に入ったら実際に購入します。
そしてユーザーが購入したその瞬間などが「コンバージョン」に該当し、アフィリエイトの仕組みの中で広告費が発生するタイミングです。
ユーザーはアフィリエイトサイトを閲覧したからと言って、追加で報酬を支払う必要はありません。
それぞれの商品やサービスに設定された金額を支払うだけで十分です。
ただしアフィリエイターとしては「とにかく売れてほしい」という思いが強いので、アフィリエイトサイトにおいては商品やサービスの良い面を言及する内容が目立ちます。
デメリットや欠点についてはあまり言及されていないので、ユーザーはリテラシーを持ってしっかりと情報の取捨選択をすることが重要です。
アフィリエイトのメリット
企業がマーケティングにおいてアフィリエイトを活用することには主に2つのメリットがあります。
メリット
- 様々なチャンネルで発信してもらえる
- 費用対効果を管理しやすい
様々なチャネルで発信してもらえる
アフィリエイト広告を出稿すれば、多くのアフィリエイターのメディアで商品・サービスに関する情報を発信してもらえます。
しかもほぼ無料で情報発信してもらえる点が見逃せません。
企業として広告費を支払うのは、実際に商品やサービスが売れた等のコンバージョンが発生したタイミングであるためです。
どれだけ多くのアフィリエイターが自社商品を宣伝してくれても、実際に購入されるまでにはASPへの登録料や月額費用を除いて1円たりとも費用を支払う必要がありません。
多くのメディアで宣伝してもらえば、どんどん認知が高まっていくことも期待できます。
自社の発信力だけに限界があると感じる場合には、うまくアフィリエイターの発信力にも頼ることで認知拡大や購買促進といったメリットに繋がっていくはずです。
費用対効果を管理しやすい
企業がアフィリエイト広告を出稿しても、実際に広告費を支払うのは売上が発生した後です。
また広告料は企業側が自由に設定することができます。
したがって商品やサービスの売上状況によって費用対効果がブレる心配がありません。
仮に思うように売れ行きが伸びなかったとしても、大きな損失を計上する心配がなくなります。
そして実際に商品やサービスが売却できた後は、売上代金から広告費を差し引くだけで簡単に利益の計算ができます。
一般的な広告出稿と違って、とにかく簡単に費用対効果を管理できるのも企業にとってのアフィリエイト広告の大きなメリットです。
アフィリエイトの注意点
企業のプロモーション手段としてアフィリエイトを活用する際には注意点もあります。
しっかりと注意点を理解しておかないと、アフィリエイトで思うような成果を上げられないばかりか、むしろ大きなデメリットを被ることにもなりかねないので注意してください。
注意点
- ブランドイメージが下がる場合がある
- ASPの費用が掛かる
ブランドイメージが下がる場合がある
アフィリエイト広告を出稿することの大きな注意点は、自社のブランドイメージが下がるケースもあるということです。
アフィリエイターは「何としても読者に購入してもらいたい」という思いが強くなることで、必然的に商品のメリットを訴求するコンテンツを作成し、一方でデメリットやマイナスポイントはあまり言及しません。
悪質なアフィリエイターだと過剰にメリットをアピールしたり、最悪の場合には虚偽の内容でプロモーションを行ったりすることもあります。
そしてアフィリエイトサイトの情報を信じ込んだユーザーが実際に商品を購入した結果、「紹介されていた内容と全然違う」と感じてしまうケースも少なくありません。
アフィリエイトの仕組みをきちんと理解していないユーザーの場合は、アフィリエイターに対してではなく企業に対して「騙された」という印象を抱いてしまう可能性もあります。
必ずしも国民全員がアフィリエイトの仕組みを理解しているとは限らないだけに、企業としては思わぬ角度から批判を浴びる可能性もある点には注意しなければなりません。
間違った情報が発信されてブランドイメージが低下することがないように、アフィリエイター向けのマニュアルを作成したり、時々アフィリエイトサイトの内容をチェックしたりする対策も重要です。
ASPの費用が掛かる
アフィリエイトは「売上が発生するまで費用がかからない」と勘違いされますが、実際にはASPに対しての費用を支払う必要があります。
例えば最大手のASPと言われるA8.netは以下の費用が必要です。
- 初期費用:5万円
- 月額費用:3万3000円~4万円
- 成約時の手数料:30%
したがって毎月少なくとも3.3万円~4万円以上の利益を上げられないと、アフィリエイト広告の出稿は赤字事業となってしまいます。
利益率の悪い商品・サービスはアフィリエイト広告を出稿しても利益拡大には繋がらない可能性も高いので注意してください。
アフィリエイト広告の単価は企業側が設定できますが、高くしても安くしてもどちらにもメリットとデメリットがあります。
アフィリエイト広告単価 | メリット | デメリット |
---|---|---|
高い | 多くのアフィリエイターに扱ってもらえる | 利益率が小さくなる |
安い | 利益率が高くなる | アフィリエイターに扱ってもらえない可能性が高い |
基本的な商売と同じで、アフィリエイト広告についても適切な単価を設定することが重要です。
アフィリエイト広告を活用する流れ
企業がアフィリエイト広告を活用する際の一連の流れは以下の通りです。
- アフィリエイト広告の対象となる商品・サービスを選ぶ
- 広告費を支払う要件を決める(購入or申込or問い合わせなど)
- 広告費を決める
- アフィリエイトリンク先のランディングページやホームページ、バナー広告画像などを作成する
- ASPに登録する
企業側がすべきことはここまでです。
やることは少ないものの、アフィリエイト広告の効果を最大化するためにどのASPを選ぶかは非常に重要となります。
ASPによって強みを持つジャンルや発生する固定費、利用しているアフィリエイター数などが異なるので、自社の設定している目的の達成確率を最大限高められるASPを選定しましょう。
後は以下のような流れでアフィリエイト広告の支払いまで進みます。
- ASPがアフィリエイターを募集する
- アフィリエイターがASP上でアフィリエイトリンクを取得する
- アフィリエイトリンクを経由して成果(購入/申込/見積もりなど)が発生する
- ASPがアフィリエイターに成果報酬を支払う
- 企業がASPに手数料を支払う
なお思うようにアフィリエイト広告の成果が出ていないと感じる場合には、アフィリエイトサイトにおける訴求ポイントや報酬の見直しといった対策を取ることも重要です。
アフィリエイト広告への規制
近年はアフィリエイト市場の売り上げ規模が大きく拡大している一方で、報酬目的でのアフィリエイターによる不当表示などの影響で、アフィリエイト絡みの消費者トラブルが頻発しています。
そこで消費者庁としても、本腰を上げてアフィリエイトの規制に乗り出すようになりました。
そして現在はアフィリエイターや広告主に対して、以下のような規制が行われています。
法律 | 主な規制 |
---|---|
刑法 | 虚偽のコンテンツで購入者をだます詐欺行為 |
景品表示法 | ステルスマーケティング、優良誤認行為にあたる宣伝 |
不正競争防止法 | 他社の信用を失墜させるような事実を流布する行為 |
アフィリエイターが規制を破った場合、広告主にあたる企業も連帯責任を負わされることもあります。
規制が強く強化されたことによって、アフィリエイト広告を出稿するデメリットも大きくなったということをしっかりと理解しておくことが重要です。
アフィリエイト広告規制への対策
消費者庁によってアフィリエイト広告の規制が強化されてきた中では、アフィリエイト広告以外のマーケティング施策を実行するという対策も重要です。
具体的にどんな対策がアフィリエイト規制に有効となるのか、詳しく解説します。
運用型広告へシフトする
アフィリエイト広告ではなく、運用型広告の運用にシフトチェンジすることはアフィリエイトの規制を逃れる対策の1つです。
運用型広告には以下のような種類があります。
- リスティング広告
- SNS広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
運用型広告では自社や直接契約を結んでいる代理店が作成した広告しか表示されないので、アフィリエイト広告のように虚偽の記載、誇大な内容となって消費者とトラブルになる心配がありません。
運用型広告はアフィリエイト広告に比べると成果に直結しやすいという特徴もあるので、高額の広告費を支払うだけの価値も十分にあります。
クリエイティブ開発に積極的に取り組む
これまでの市場や業界には見られなかった新たな価値を創造するクリエイティブ開発によって、自社の優位性を高めるのも有効です。
確実に成果が出るとは限らないものの、クリエイティブ開発がヒットすれば商品やサービスそのものが大きな価値となり、どんどん売上増加や利益の拡大に繋がります。
ASPに支払う固定費用、その他アフィリエイト広告の出稿や運用にかかるコスト、自社の持てるリソースをクリエイティブ開発に投じることによって自社だけの強みを作れれば、認知向上や信用の強化も相まって長期的に見た利益拡大といった大きなメリットも期待できます。
広告に頼らない施策の検討
企業としては広告に頼らない施策を検討したり、実行したりすることも重要です。
広告運用が成功すれば大きな効果が期待できる反面、広告出稿を取りやめると一切売上が発生しなくなるというリスクもあります。
特に初期の頃はアフィリエイト広告も含めて多額のコストが発生するので、長く利益が出ずに苦しい時期を過ごすこともあるでしょう。
一方でSEO対策やコンテンツマーケティングといった施策を強化すれば、広告のような短期間での成果は出ずとも、長い目で見て大きな価値を生み出し続けてくれる資産になる期待もあります。
さらに近年はテクノロジーの発展が激しいこともあって、新たなプロモーション手法やマーケティング手法がどんどん登場することは間違いありません。
広告の形態も変化、多様化しつつあるだけに、常に最新のトレンドにアンテナを張りつつ、変化を許容する態度を持ちながらその時々で有効な施策を検討し続けることが重要です。
まとめ
アフィリエイトとは成果報酬型広告のことであり、企業にとってはコンバージョンが発生するまで広告費を支払わなくて良いというメリットがあります。
また多くのアフィリエイターが宣伝してくれると一気に認知が拡大して、急速な売上拡大を期待できるのもメリットです。
一方でアフィリエイターのプロモーション方法次第では、ブランドイメージを損なったり、消費者とのトラブルに発展したりするデメリットもあります。
近年は消費者庁がアフィリエイト広告の規制にも本腰を入れ始めているので、場合によっては「アフィリエイト広告の出稿を止める」という判断も重要です。
アフィリエイトに対する規制を克服するための対策としては
- 運用型広告にシフトする
- クリエイティブ開発に注力する
- 広告に頼らない施策を検討する
といった方法もあります。
自社の強みや予算、競合他社の状況などに応じて、どんなマーケティング手法が最も効果的なのか考え、状況に応じて適宜変更しながら自社の目標達成を目指しましょう。
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