データ活用とは?プロセスやポイントを事例もあわせて解説
「データ活用って何をするのか」
「自社でもデータ活用を取り入れたほうがいいのか」
という疑問をお持ちではありませんか?
データ活用は、ビジネスにおいてデータを収集し分析してその結果を元に業務改善や事業の発展を目指す取り組みです。
データ活用を取り入れることで、課題解決や業績の向上を図ることができます。
本記事では、データ活用とは何か、プロセスや取り入れるポイントについて解説していきます。
本当に成果を出せるのかな?
データ活用について、事例もふまえて解説していきますね!
データ活用とはデータをビジネスに活用すること
データ活用とは、データをビジネスに活用することを指します。
日々の業務においてデータを継続的に用い、得られた結果を基に業務改善や事業の発展を目指す取り組みです。
企業内外に存在する多くのデータを集め、その意味するところを分析して活用することが求められます。
データ活用には、勤怠データから業務を整理したり、売上データと在庫データに応じて入荷数を決定したり、既に実施されている例が多くあります。
データの数と種類が多く分析の質が高いほど、データ活用の成果は大きくなることが期待されます。
データ活用により業務プロセスを改善することで生産性を向上させたり、顧客との信頼関係を築いたり、新たなビジネスモデルを構築することが可能となります。
そのため、データ活用を通じて自社の課題を解決し、業績を伸ばすための取り組みを進めることが重要です。
データ活用とデータ分析の違い
データ活用とデータ分析は似た言葉ですが、異なるアプローチでデータを扱います。
データ活用はデータを日々の業務に継続的に組み込んで利用することで、業務改善や事業の発展を目指す活動を指します。
例えば、社員の勤怠データから残業の傾向を把握し業務を整理するといった活用が挙げられます。
一方、データ分析はデータから新たな知見を導き出すことを目的として、データを探索し分析するプロセスを指します。
データ分析には、データの前処理、統計解析、機械学習などの手法があり、データ活用の中でも重要なステップの1つです。
データ活用とデータ分析は、どちらもデータをビジネスに役立てることを目指すものですが、データ活用は継続的にデータを利用することに重点が置かれ、データ分析は新たな知見を導き出すことに重点が置かれます。
データ活用はデータ分析だけでなく分析結果をビジネスに活かすことが必要であり、データ分析とデータ活用は切っても切り離せない関係にあります。
データ活用に使用するデータの種類
データ活用において使用するデータは、大きく分けて「社内データ」と「社外データ」の2つに分類されます。
社内データ
社内データとは企業内で生成されるデータのことです。
例えば、従業員の勤怠データや顧客データ、売上高や販売数などの売上データ、在庫データなどがあります。
社内データは企業内部の業務改善や事業戦略の策定などに活用され、従業員の生産性を高めることも可能となります。
社外データ
社外データとは企業外で生成されるデータのことです。
例えば、国や地方公共団体が発行するオープンデータや、SNS上のデータ、インターネットで検索するデータがあります。
社外データは、市場調査や顧客ニーズの把握、競合情報の収集などに活用され、企業の戦略的な意思決定に役立てることができます。
データ活用のメリット
データ活用は、企業に多くのメリットをもたらします。
主なメリットは、以下の5つです。
メリット
- 売上向上に繋がる
- コストを削減できる
- 自社商品やサービスの需要を予測できる
- 業務の効率化につながる
- データに基づいて意思決定できる
それぞれ詳しく解説していきます。
売上向上に繋がる
データ活用により売上データや商談データを利用して、顧客のニーズを洗い出すことができます。
ECサイトなどではユーザーに適切な商品をレコメンドすることができ、売上の増加に繋げることができます。
また、商談データを分析することで、顧客と接触するチャネルやアクションの最適なタイミングを探ることができ営業プロセスのDXに役立てることができます。
これにより需要の高い商品やサービスを見つけ出し、戦略的に販売することができます。
マーケティング施策においても、送付したDMに対する顧客の反応率を予測することができ、投資対効果を高めることができます。
また、アフターマーケットにおいては、適切なタイミングでメンテナンスや部品交換を勧めることで顧客とのリレーションを強化し、顧客満足度の向上や売上の増加を実現することができます。
データ活用はビジネスにおいて非常に有用であり、企業競争力を高めるために欠かせない取り組みです。
コストを削減できる
データ活用により業務プロセスの効率化やコスト削減が可能となります。
例えば、グループ内のデータを一元化し分析することで、部門間の購入価格の違いや稼働率の低い資産、生産のボトルネックを見つけコスト削減や歩留まりの向上につなげることができます。
また、在庫管理において需要予測に基づいた的確な発注を行うことで、在庫過剰や不足を回避しコスト削減につなげることができます。
生産データや品質データを有効活用することで、品質の向上や不良品の減少、生産性の向上を実現し、顧客満足度の向上にも繋がります。
このように、データ活用によって企業内の様々な課題の解決につながる価値があることがわかります。
自社商品やサービスの需要を予測できる
受注データや売上データ、キャンペーンデータなどの活用により、需要のトレンドやパターンを把握し、適切なマーケティング戦略や在庫管理を行うことができます。
これにより、需要が伸びるタイミングでの在庫確保や製品のラインナップの見直しなどを行うことができます。
また、商圏データや過去の売上データなどを活用することで、新規出店の売上を予測しシミュレーションすることが可能です。
これにより、出店先の選定や展開戦略の最適化が可能となり新たなビジネスチャンスを見つけることができます。
AIを活用して様々なデータを分析し、需要予測や新規ビジネスチャンスの発見、障害削減、施策効果の推定などを実現します。
業務の効率化につながる
データ活用により、業務プロセスの改善や効率化が可能となります。
例えば、社員の勤怠データを分析することで残業の傾向を把握し、業務の見直しを行うことができます。
また、AIカメラを活用することで店舗やバックヤードでのデータ収集と分析が可能となり、商品の陳列方法やバックヤード作業の改善を進めることができます。
他にも、来店客数やメニュー出数の予測に基づいて店員のシフトスケジュールや仕入れを最適化したり、出動需要の予測と車両の適切な配備により生産性を向上させたりすることができます。
AIカメラを活用することでデータの収集と分析を行い、効率化や品質向上など様々な面での改善を実現することができます。
データに基づいて意思決定できる
データ活用により、ビジネス上の意思決定を迅速に行うことができます。
客観的な事実に基づいたデータにより現状を正確に把握できるため、最善の判断を容易に行うことができます。
また、データをもとに関係者と議論することができるため、リアルタイムで共通の認識を持ちながら意思決定を迅速に行うことができます。
これにより、スピーディな意思決定が可能となります。
データ活用の課題
データ活用のメリットを紹介してきましたが、一方で課題も多くあります。
データ活用での課題は以下の3つです。
課題
- セキュリティ対策が必要
- スキルが必要
- 手間とコストがかかる
それぞれ詳しく解説していきます。
セキュリティ対策が必要
データ活用には、セキュリティ対策が欠かせません。
提供者のプライバシーを侵害するリスクが存在することに留意する必要があります。
データの種類や活用方法によっては、提供者の個人情報や特定可能性が懸念される場合があります。
特に、大量のデータを扱ったり個人情報が含まれている場合は提供者を特定してしまう可能性があります。
さらに、データの漏洩や流出が発生すれば企業の信頼性にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
企業が持つ重要な情報や顧客データなどは機密性が高く、適切な保護が求められます。
データの収集、保存、共有、分析などの過程でセキュリティリスクが存在するため、堅牢なセキュリティ対策を実施することが必要です。
データは個人を特定できない形式で保存することや、厳格なセキュリティ対策を実施することが重要です。
データ匿名化や擬似化などの手法を用いて個人情報を保護し、不正アクセスやデータ漏洩からのリスクを最小限に抑える必要があります。
データ活用におけるプライバシー保護は、企業のイメージや信頼性を守るためにも重要です。
適切なセキュリティ対策と個人情報の保護に努めることで、データ活用のメリットを最大化すると同時に提供者のプライバシーを守ることができます。
スキルが必要
データ活用を成功させるには、適切なスキルが求められます。
データの収集・整理・分析・解釈を行うための専門知識やデータ分析ツールの操作技術が必要となります。
また、データ活用に関する最新のトレンドや手法にも常にアップデートする必要があります。
しかし、スキルを持つ人材の確保が難しいという問題に直面している企業も珍しくありません。
スキルの不足は、データの意味を正しく理解できず目的と施策のずれが生じる可能性を招くことがあります。
したがって、適切な人材の雇用と育成が重要です。
データ活用に必要なスキルを持つ人材を採用し、必要な知識や技術を身につけるための研修や教育プログラムを提供することが必要です。
スキルのある専門家がデータの解析や解釈を行い、適切な施策の立案や意思決定に貢献することができます。
適切な人材を確保することにより、データ活用の可能性を最大限に引き出すことができます。
スキルのあるチームがデータを正確に解釈し、有益な洞察を得ることで、戦略的な意思決定や効果的な施策の展開につなげることができます。
手間とコストがかかる
データの収集や整理には時間と労力が必要であり、大量のデータを分析するためのシステムやツールの導入には費用がかかる場合があります。
また、データ品質の向上や活用に関する継続的な投資が必要となることもあります。
組織や企業は、データ活用のメリットとコストをバランスさせながら、効率的なプロセスやコスト削減策を検討する必要があります。
データ活用のための投資は、効果的な意思決定や競争力の向上につながる可能性があります。
慎重な検討を行い、手間とコストを適切に管理しながらデータ活用を進めることが重要です。
データ活用のポイント
データ活用を効果的に進めるために、押さえておきたいポイントがあります。
- 目的を明確にする
- データは経営や業務のために活用する
- 活かせる業種を知っておく
- データ分析できる人材を確保する
それぞれ詳しく解説していきます。
目的を明確にする
データ活用において、目的や目標が明確でなければ効果的に進めることはできません。
どのような課題を解決したいのか、どのような成果を得たいのかを明確にしましょう。
目的が明確になると、データ収集や分析の方向性も明確になり効果的な活用が可能となります。
データは経営や業務のために活用する
データを活用する際には、経営や業務の課題解決や効率化を意識しましょう。
データ活用は単なる情報収集ではなく、具体的な行動や意思決定の支援に役立つものです。データを経営や業務に活かす視点を持ちながら取り組みましょう。
通常、企業や組織では「ありたい姿」と「現状」の差を「問題」として認識し、その問題を解決するために取り組むべき「テーマ・課題」を定義します。
データ活用単体では問題を解決できません。
データ活用が経営や業務に寄与するためには、まず自身が取り組むべき経営テーマや業務課題を明確に定義することが重要です。
その後、定義した課題に対して経営施策や業務施策を策定し、それらの施策に必要な情報を明確に把握する必要があります。
必要な情報が明確になれば、どのデータを使用し、どのようにそれを生成するかを検討することができます。
このようなプロセスを経ることで、データ活用が経営や業務に有益な成果をもたらすことができます。
活かせる業種を知っておく
データ活用は業種によっても異なる特徴や可能性があります。
自社の業種や競合他社の事例を把握し、どのようなデータが活かせるのかを理解しましょう。
他の業種の成功事例から学ぶこともできますので、幅広い視野を持つことが重要です。
具体的な領域の一例としては、製品・サービスの開発、マーケティング、生産・製造、保守・メンテナンス・サポートが挙げられます。
これらの領域は、必要な条件を満たせばあらゆる業種でデータを活用することが可能です。
データ分析できる人材を確保する
データ活用を成功させるためには、データ分析のスキルを持った人材を確保することが欠かせません。
データを正しく解釈し、有益な情報を抽出する能力が求められます。
しかし、日本ではデータ分析の専門人材が不足している傾向にあります。
適切な人材の採用や育成、外部の専門家やコンサルタントの活用も考慮することも重要です。
データ活用のプロセス
具体的にどのようにしてデータ活用を行えばいいのかを紹介していきます。
目的を明確にする
データ活用のプロセスを開始する前に、まずは明確な目的を設定することが重要です。
目的を明確にするためには、取り扱う経営テーマや業務課題を明確に定義しそれに対する対応策や施策を立案します。
経営層が意思決定や判断を行う際に必要な情報や、業務担当者が意思決定や判断をした後に記録する情報などが必要な情報の一例です。
これらの情報は、経営のインプットや業務プロセスにおけるアウトプットとして活用されます。
経営テーマや業務課題に関連する情報を明確化することで、目的に対して必要な情報を把握し、それに基づいて意思決定や判断を行うことができます。
また、情報の明確化は経営施策や業務施策の立案にも役立ちます。
必要な情報を把握することで、施策の実行に必要なデータや情報の収集・整理を行い、的確な施策の策定が可能となります。
適切な情報を基にした経営施策や業務施策の立案は、組織の成果や価値向上に寄与することが期待できます。
データを集める
次に、目的に合わせたデータを集める必要があります。
分析テーマに基づいて必要なデータを収集する際には、「すでに利用できるデータ」、「所在は明らかだが現在は利用できないデータ」、「所在が不明なデータ」の3つにわけられます。
「すでに利用できるデータ」以外のデータは不足データとされ、データの入手方法を検討する必要があります。
データの入手方法には、外部からの購入、センシングによる取得、Webスクレイピング、システム対応などが挙げられます。
データ活用においては自社データと外部データを組み合わせることで大きな効果が生まれる場合があるので、データの選定には慎重さが求められます。
データ収集の際には、単にデータだけでなく、データソースやデータ項目名、項目の内容説明などのメタデータも同時に収集することが重要です。
これにより、データの信頼性や適切な利用方法を確保できます。
データの収集には注意が必要であり、必要なデータを正確かつ効果的に収集することがデータ活用の基盤を築く上で重要です。
データを可視化する
どのようなデータ分析を行う場合でも、まずは収集したデータを可視化し視覚的にデータの特徴や傾向を把握します。
収集したデータを可視化することで、データの傾向や関係性を視覚的に理解しやすくします。
可視化には、データ項目の中から重要な要素を選びヒストグラムや散布図などのグラフを作成します。
その後、「これまでの情報」と「新たに把握した情報」を組み合わせ、具体的な分析方法を設計します。
設計に際しては、収集したデータを基に分析者が新たに作成する特徴も含めるようにします。
分析方法が設計されたら、分析の結果を活用する現場部門やお客様に対して説明し、進め方について合意を得ることが重要です。
このようなコミュニケーションを通じて分析アウトプットを活用する方針を確定させましょう。
データ分析を行う
収集したデータを基にデータ分析を行います。
データ分析は、探索的データ可視化、機械学習、最適化などの大きな分類に分けられます。
これらの手法には、業務知見を取り入れてデータの可視化を工夫する「探索的データ可視化」や、AI予測モデルを作成する「機械学習」、データの組み合わせによる「最適化」などが含まれます。
探索的データ可視化では、特徴量を追加しクロス集計や業務知見を活用した四象限などの手法を使い、意味のある差異が現れるデータの切り口を探求します。
一方、機械学習ではトレーニングデータとテストデータの分割、バリデーションの検討、適切なアルゴリズムの選択、予測モデルの構築、評価指標の選択、モデルの精度検証などの手順が必要です。
これらの手法を適切に組み合わせることで、データ分析の目的に応じた洞察や予測モデルの構築が可能となります。
アクションプランを策定する
データ分析の結果をまとめた分析アウトプットが得られたら、次にアクションプランを策定します。
アクションプランは、目標達成に向けた具体的な行動や予測的な手法を含めた具体的な取り組みを示すものです。
データに基づいて意思決定を行うためには、アクションプランの明確な策定が欠かせません。
アクションプランは、分析アウトプットの性質に応じて大きく2つに分けられます。
もし分析アウトプットが一度きりのものである場合、そのアウトプットを基にして具体的なアクションプランを立てます。
一方で、需要予測や異常予兆検知のような予測モデルのように定期的にビジネスや業務に活用されることを想定した分析アウトプットの場合、アクションプランには予測モデルをどのようにビジネスや業務に組み込むかが盛り込まれます。
洞察から得られた情報を元に、問題解決や改善のための施策や戦略を計画しましょう。
アクションプランの策定には分析アウトプットを活用してくれる現場部門やお客様の参加が再度必要であり、実現可能性の高いプランを作り上げるための議論を行います。
効果検証する
最後に、実施したアクションの効果を検証することが重要です。
アクションプランに基づいて実際に施策を実行し、目標達成や改善効果が得られたのかを評価します。
効果検証は、分析テーマに示したビジネスインパクトが実現されているかどうかを評価する視点で進められます。
効果検証が成功すると、その分析アウトプットは継続的に活用されるようになります。
ただしビジネスや業務の環境は日々変化するため、「分析アウトプットを作成した時点(過去)」と「分析アウトプットを利用する時点(現在)」では、現実世界を反映したデータも変化しています。
そのため、過去のデータで作成した分析アウトプットは、変化した現在の予測結果などを出力するのが困難になる場合があります。
こうした事態に対応するためには、最新のデータの収集と蓄積、分析アウトプットの劣化の検知、再分析や予測モデルの再作成、継続的な活用が必要です。
これらの活動を効果的に行うためには、自動化が重要となります。
データ活用基盤には、最新データの収集や処理、効果検知、再分析や予測モデルの再構築などの機能を組み込むことが有益です。
効果検証を通じて、今後の施策の改善や調整を行いながらデータ活用のプロセスを継続的に改善していきます。
データ活用の成功事例
データ活用は様々な企業で取り組まれています。
ここからは、データ活用に成功した具体的な事例を紹介していきます。
今回紹介する企業は、以下の5社です。
- スシロー
- ダイドードリンコ
- 野村証券
- ヤクルト
- ぐるなび
スシロー
スシローは広く知られた人気のある回転寿司チェーンです。
同社は長い間ビジネスにおいてデータ活用に取り組み、需要予測を通じて売り上げ向上を実現してきました。
スシローが実践したのは、寿司皿にICタグを取り付けることでデータを収集する方法です。ICタグによりどのテーブルでどのような寿司が食べられたのか、どのネタがどのタイミングで回転されたかといった多様な情報を蓄積することが可能になりました。
スシローはこれまでに蓄積したデータがなんと10億件にも達すると報告されています。
この膨大なビッグデータを活用して需要予測を行い、握る寿司の数やレーンへの供給量などを調整しています。
その結果無駄なコストを削減し、顧客満足度を向上させることにも成功しています。
また、データを活用したキャンペーンやポイントプログラムの実施により、顧客のリピート率を向上させることに成功しました。
スシローの取り組みは、ビッグデータの活用によって効率的な経営を実現し、顧客にとっても満足度の高いサービスを提供していると言えます。
ダイドードリンコ
ダイドードリンコは、飲料メーカーとして販売データと消費者の嗜好データを組み合わせてデータ活用を行いました。
消費者の行動データを分析し、その結果を自動販売機の商品陳列に反映させることで、大きな売上増加に繋がりました。
この施策では、アンケートデータと消費者が自動販売機で商品を購入する際の視線データを活用しました。
従来の考えでは視線は左上からZの字を描くとされていましたが、分析の結果は異なる結果を示しました。
そこで、ダイドードリンコは即座に行動し、データに基づいて自動販売機の商品陳列順を変更しました。
その結果大幅な売り上げ増につながったのです。
このように、ダイドードリンコのアプローチは消費者の行動データを利用することで効果的な商品陳列を実現し、顧客満足度の向上と売り上げの増加につながったと言えます。
野村証券
野村証券はAIとSNSを活用し、景況感指数調査のプロセス効率化とコスト削減に成功しました。
具体的には、Twitter APIを使用してツイート内容を指数化する取り組みを行いました。
このシステムでは、抽出AIがTwitterの投稿からデータを抽出し評価AIが景況感を評価する仕組みが導入されています。
この施策の成功により、野村証券は大幅な調査コストの削減に成功しました。
さらに、月間15,000件ものサンプルデータを取得できるだけでなく、迅速な情報発信も実現しました。
この取り組みによってより効率的な調査が可能となり、市場の動向を迅速に把握することができます。
野村証券はAIとSNSの組み合わせによって、高速かつ費用効果の高い調査手法を実現し価値ある情報を提供しています。
ヤクルト
ヤクルトは、販売データや顧客の購買履歴データを活用してデータドリブンなマーケティングを実施しています。
小売業界ではビッグデータの活用が一般的であり、消費者の傾向分析が重要な活用方法です。
購買履歴や年齢、性別などの情報からターゲット層を特定し、季節やシーズンにおける購買頻度を分析して仕入れや在庫管理に活用します。
データ分析により顧客の購買パターンや好みを把握し、ターゲットとなる顧客に対して個別の商品プロモーションやキャンペーンを展開することができました。
消費者の購買データだけでなく、気象データやGoogleの検索結果、広告アクセスなどを総合的に分析することで、購買行動に関する深い洞察を得ることができました。
例えば、夏のキャンペーンが失敗した場合、ヤクルトは最初は広告の訴求力不足や高温の影響だと分析しました。
しかし、購買層の移動データを組み合わせた分析の結果、実際には多くの人が休暇で旅行に出かけていただけであることがわかりました。
このような総合的なデータアナリティクスにより、ムダなく正確なマーケティング戦略が立てられ売上増を実現できたのです。
ぐるなび
飲食業界では、一般的に来客者の注文情報などを利用して顧客のニーズや満足度を分析しています。
たとえば、POSレジやIDレシートといった購買時の記録データを蓄積し、それをもとにメニュー開発などに役立てます。
ただし、個々の飲食店ではサンプル数が限られるためビッグデータの活用には課題がありました。
ぐるなびは20年間にわたって蓄積した店舗情報やユーザー情報などを活用し、ビッグデータの分析結果をオンライン上で公開することで解決しました。
このツールを利用することで、売れやすい状況や来客者の年齢層などの分析が可能です。
店舗でのアンケートだけでは信頼性が低い場合でも、ツールのトレンド情報と照らし合わせることでより高い精度で分析を行うことが可能です。
このように、ぐるなびのビッグデータ分析ツールは飲食店にとって有益で信頼性の高い情報を提供する価値があります。
まとめ
データ活用は、ビジネスにおいて非常に重要な要素となっています。
データを活用することで、新たなビジネスの展開や既存の商品やサービスの改善に取り組むことができます。
今後ますますデータが重要な資源となっていくことが予想されるため、データ活用を積極的に取り入れることが求められます。
また、データ活用を推進するための環境整備を行うことで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の促進や業務の効率化を実現することも可能です。
データ活用によって生じるさまざまなメリットが明らかになっています。
データ活用を進めるためには、データの分析や取り扱いができる人材が必要です。
データ活用ができる人材の育成により、企業はより効果的な意思決定を行い競争力を高めることができます。
社員のスキル向上を図ることは、データ活用の成功に向けた重要な取り組みと言えるでしょう。
データ活用についてお悩みの方や、社員のスキルを向上させたい場合には、ぜひNUVOにご相談ください。
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