DSPとは?仕組みや他の広告との違いをわかりやすく解説!

DSPとは

DSP(Demand-Side Platform)は広告主向けのプラットフォームで、広告を効果的に展開できます。
アドテクノロジーの進化に伴い、DSP広告の活用や導入は増加しています。
この記事では、DSP広告を検討する方に向けて、その仕組みやメリット、他の広告との違いについて解説していきます。

広告にはいろいろな種類があるよね。
DSPもよく聞くけど、他の広告とはどう違うの?
DSPは広告主の効果最適化を目指すプラットフォームです。
どんな仕組みなのか、既存の配信手法とは異なる点を紹介していきますね!

 

DSPは広告主のプラットフォーム

DSPは広告主のプラットフォーム

DSPは、広告主が広告を配信するためのプラットフォームです。
広告主は広告を発注する側であり、DSPを通じて広告出稿の効果最大化が可能です。

 

DSPには、メディア来訪者に関する詳細な情報(性別、年齢、嗜好、行動履歴など)が蓄積されています。
この情報を利用して、ターゲットオーディエンスに合った広告を効果的に表示します。
広告主はより精確なターゲティングを実現できるため、費用対効果が向上します。

DSPとSSPの違い

DSPと密接に連携するのがSSP(Supply Side Platform)です。
SSPは「供給側プラットフォーム」の略称で、メディア側が広告枠、価格、出稿条件を設定し、それにマッチした最適な広告を自動的に提供します。
SSPはメディアの収益を最大化するプラットフォームです。

 

「Demand-Side(需要側)」であるDSPとは対照的に、SSPは「Supply-Side(供給側)」に位置し、この二つのサービスが連携することで、広告発注者と受信者の間に相互関係が生まれます。

DSPとアドネットワークの違い

DSPとよく混同されるアドネットワークとの違いを説明します。
アドネットワークは、ウェブサイト、ブログ、ソーシャルメディアなど、複数のメディアから成る広告枠を統合的に管理する広告配信管理システムです。
アドネットワークは、異なるメディアの広告枠を一元管理するプラットフォームのようなものです。
DSPと異なり、アドネットワークはメディアやネットワークを特定して広告を配信することができます。

 

DSPは広告主がターゲットとするオーディエンスにフォーカスし、異なる広告インベントリから最適な広告スペースをリアルタイムで購入するのに対して、アドネットワークは特定のメディアや広告スペースに対して広告を配信するのが得意です。

DSPが登場した背景

「DSP」の登場は、ユーザーターゲティングと顧客ニーズへの適切な広告提供という2つの要因と深い関連があります。
インターネットの普及とスマートフォンの急速な普及により、私たちの情報収集と購買行動がオンラインでより頻繁に行われるようになりました。
これに伴い、企業のマーケティング戦略も、マス広告から個々の顧客に合わせたマーケティングへシフトしました。

 

この変化により、広告主はアプローチしたい顧客に、最低限のコストで的確に広告を届ける必要が生まれました。
しかし、これを手作業で実現するのは非常に労力がかかり、広告運用者の負担が大きく増加します。
この問題を解決するために、広告の自動化とシステム化が可能な「DSP」や「SSP」といったメカニズムが開発されたのです。

 

DSPは、リアルタイムデータ分析とプログラマティック広告購入を組み合わせ、効果的な広告展開を可能にしています。
DSPは現代のデジタルマーケティング戦略において不可欠な要素となり、広告主に多くの利点をもたらしています。

DSPのメリット

DSPのメリット

DSPは広告配信の自動最適化の他にも、5つのメリットがあります。

 

メリット

  • 興味関心の高いユーザーにターゲットを絞り込める
  • 類似ユーザーをターゲティングできる
  • さまざまなデータを活用できる
  • 潜在層に向けても配信できる
  • 広告運用者の手間を削減できる

 

それぞれ詳しく紹介していきます。

興味関心の高いユーザーにターゲットを絞り込める

DSPを利用することで、狙ったユーザーに広告を配信できます。
ユーザーのCookie情報に基づく「性別」「年代」「嗜好性」「行動履歴」などの情報を活用し、特定のセグメントに広告を対象としたターゲティングを行うことが可能です。
広告がより関心を持つユーザーに届き、効果的なキャンペーンを実現します。

類似ユーザーをターゲティングできる

DSP広告の一部では、以前にコンバージョンを達成したユーザーと似た行動や興味を持つユーザーに広告を展開することができます。
これにより、ビジネスの可能性を広げることができます。

さまざまなデータを活用できる

DSPは多くのデータを活用し、リアルタイムで広告キャンペーンを最適化します。
企業が持つユーザーの購買データ、メディア内の行動データ、企業データなどを活用して、ターゲット設定が可能です。

 

たとえば、「楽天 DSP」では、楽天会員が楽天トラベルでの予約頻度や楽天ふるさと納税の注文総額に基づいた「カスタムセグメント_楽天サービスデータ」や、楽天市場の商品閲覧履歴や購買履歴に基づく「ベーシックセグメント」といったセグメントが活用されます。

 

ユーザーの行動データ、デモグラフィック情報、購買履歴などを分析し、効果的な広告戦略を立てるのに役立ちます。

潜在層に向けても配信できる

リスティング広告やリマーケティング広告など、顕在層向けの広告では潜在層へのアプローチが難しい場合があります。
対照的に、DSPは自社または提携企業が保有するウェブサイト内のユーザー行動データや購買データを活用し、似た属性を持つインターネットユーザーに広告を配信することができます。

 

そのため、まだ特定のウェブサイトを訪れていない潜在層に対しても広告を展開でき、新たな顧客層にリーチすることができるのです。
興味を示していない可能性のあるユーザーにも広告を表示し、ブランド認知を向上させることができます。

広告運用者の手間を削減できる

これまでは、GDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDN(Yahoo!ディスプレイネットワーク)などで、入札単価の調整や広告配信の最適化に手作業で多くの時間を費やしてきました。
しかし、DSPを活用することでこれらのタスクを半自動化し、効率的に最適化することができます。

 

そのため、人の手が必要な作業から解放され、広告のクリエイティブ分析などのより戦略的な作業に時間を割くことができます。

DSPのデメリット

デメリット

メリットが多くある反面、デメリットも存在します。
デメリットを理解したうえで導入を検討しましょう。

 

デメリット

  • 初期費用が掛かる
  • サービスごとに比較する必要がある
  • 細かい調整ができない
  • 配信先がわからないことがある

 

それぞれ詳しく紹介していきます。

初期費用が掛かる

DSP広告はリスティング広告やSNS広告とは異なり、多くの場合初期費用が必要です。
一部のサービスでは最低契約期間が設定されていることもあるため、事前に確認してから検討しましょう。

サービスごとに比較する必要がある

DSP広告を提供する企業は多くあり、各社が独自の特徴を持っています。
たとえば、提携している広告インベントリやユーザー情報のデータソース、採用するアルゴリズムなどが異なります。
各サービスの特徴を詳細に調査し、自社に最適なDSP広告プロバイダーを選択するために比較検討が必要です。

細かい調整ができない

膨大なデータと機械学習を活用するDSPは、運用者が手動で調整できる範囲が限られています。
たとえば、EC業界で頻繁に使用される「Criteo」のようなDSPは、商品情報をもとにAIがバナーやリンク先を自動生成し、広告運用もAIによって自動化されています。
運用者が調整できるのは予算や入札額など、ごく一部に限られます。

配信先がわからないことがある

一部のDSP広告サービスでは、広告の表示先が開示されない場合があることに不安を感じる方もいます。
このような不安を解消するためには、配信先情報を含めてサービスを選定することが重要です。

DSPを導入するときのポイント

導入時のポイント

DSPを導入する際に、抑えておきたいポイントを紹介します。

広告を運用する目的を確認する

DSPを含む広告出稿は企業のリソースを活用して実施されるため、通常は売上や利益を増やす手段として採用されます。
そのため、配信の明確な目的を設定し、目標数値を明確にすることが重要です。
配信の目的や目標を明確にしないと、広告キャンペーンの成果を評価する際に困難になる可能性があります。

 

広告の目的がブランド認知向上、リード獲得、コンバージョン増加などのいずれかであるかを確認し、その目的に合う戦略を立てます。
広告代理店を介して広告を配信する場合は、配信の目的と目標数値を共有し、認識の食い違いが生じないようにすることが大切です。

 

自社のマーケティング課題を明確にし、その課題に合った解決策を選択し、最終的なKGI(Key Goal Indicator、主要な目標指標)を達成できるように、目的と目標を適切に設計しましょう。

他社と比較をする

デメリットでもお伝えしましたが、DSPプロバイダーは数多く存在し、各社が異なる特徴を持っています。
適切なDSPを選定するために、複数のプロバイダーを比較検討しましょう。
配信先、データソース、料金体系、サポートなど、重要な要素を検討して自社に合ったプロバイダーを洗濯することが大切です。

主要なDSP3選

主要なDSP

実際にどんなDSPがあるのか、主要なDSPを3つご紹介します。
特徴やサービス、料金などを比較して導入を検討してください。

Red

フリークアウト社が運営するRedは、最新の独自機械学習エンジンを搭載し、全デバイスに対応したマーケティングプラットフォームです。
国内最大規模の月間8,500億インプレッションを超えるRTB(リアルタイムビッディング)を通じた広告在庫を保有し、ビデオ、ネイティブ、ディスプレイなどのさまざまなフォーマットで、フリークアウト独自のターゲティング技術を活用した広告配信が可能です。

Criteo

フランスに本社を置くCRITEO株式会社が提供するDSPで、日本のECサイトの上位100社のうち、85%以上の企業で採用されています。
Criteoは、Criteoエンジンと膨大な消費者行動データに基づく機械学習を組み合わせた広告配信が特長です。

 

ユーザーの閲覧履歴をもとに、興味を引くであろう商品の広告を効果的に配信できるため、総合通販やECサイトを運営する企業、求人・転職、不動産、ホテルなどの業界で特に優れた効果を発揮します。
Criteoを利用するには最低出稿料金が50万円以上であり、月間の訪問者数が4万人以上という2つの条件を満たす必要があります。

 

ターゲティング方法は、サイト訪問者や購入履歴のあるユーザーに対して、閲覧履歴に基づいて関連性の高い商品を表示する「ダイナミックリマーケティング」、アカウントデータを拡張して新規顧客に的確にアプローチする「Similar」、コンバージョンデータや広告主の顧客データを活用して、最も類似性の高いユーザーに広告を配信する「Lookalike」があります。

 

広告主の目標に合わせた最適化エンジンを提供し、フィードデータを活用して効果的なバナー広告を自動生成するなど、ECサイト運営に欠かせない高性能なDSPの一つです。

Logicad

Logicadは、ソネット・メディア・ネットワークス株式会社が提供するツールです。
ソニーグループの卓越した技術を基に開発され、継続的な高い信頼性を誇る純国産のDSPです。
独自のアルゴリズムを活用して、広告効果を最適化することができます。
Logicadダイナミッククリエイティブは、ユーザーの行動履歴と広告主の商品データを活用します。
個別のユーザーの興味関心に合ったレコメンドクリエイティブを自動的に生成し、表示することができる機能があります。

まとめ

まとめ

今回はDSPの特徴や他の広告サービスとの違いを紹介しました。
現代のマーケティングは個別に合わせたアプローチが不可欠であり、DSPは広告発信者と受け手の双方に利益をもたらすサービスです。
ただし、全ての企業に適した汎用サービスではなく、自社の状況と戦略を検討した上での導入が重要です。

 

NUVOでは、マーケティング戦略の策定やKGI・KPIの設計を行っています。
「自社に合うマーケティング施策がわからない」
「どのDSPを活用したらいいのか相談したい」という方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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