IoTとは?活用事例とあわせて仕組みをわかりやすく解説!

IoT

IoT(Internet of Things)とは、インターネットを介して様々な物理的なデバイスがデータを収集し、相互に通信する技術の総称です。
この革命的な概念は、私たちの日常生活から産業界まで、あらゆる分野に革新的な変革をもたらしています。
この記事では、IoTの仕組みから、具体的な活用事例までを分かりやすく解説していきます。

IoTって最近よく聞くようになったけど、仕組みまできちんと理解できていないな。
どうして急速に拡大し始めたんだろう?
IoTは、今後の社会に大きな影響を与える技術です。
なぜ急速に拡大し始めたのか、仕組みや事例もあわせて紹介していきますね!

 

IoTとはモノのインターネット

IoT

IoTはモノのインターネットのことで、さまざまなデバイスがインターネットを介してデータを収集し、通信する技術の総称です。
パソコンやスマートフォンだけでなく、冷蔵庫、エアコン、テレビ、車などが接続できます。
IoTのおかげで、遠くの場所からデバイスの状態を確認し、必要な操作を行うことができます。

 

たとえば自宅を離れている間でも、スマートフォンを使って家のセキュリティを監視でき、家電製品を遠隔で操作することも可能です。
これにより生活が便利になり、日常のさまざまなシーンで私たちの手助けをしてくれる技術なのです。

IoTの仕組み

現代では、エアコンや冷蔵庫などの家電製品、そして自動車やバス、工場の装置・設備など、多岐にわたるアイテムがIoT技術を駆使して運用されています。
IoTは、センサーやカメラ、無線通信機能を備えたデバイスが物理的な情報をデジタルデータに変換し、インターネットを通じてクラウドや他のデバイスに送信します。

 

これらの収集された情報はwebを介して人々や他のデバイスと共有され、IoTの基盤となっています。
この仕組みによりリアルタイムのデータ収集と情報伝達が可能になり、効率性や利便性の向上が実現されています。

ITとの違い

ITは「Information Technology」の略語で、情報技術を指します。
主にパソコンやインターネット、通信インフラなどを用いて情報を扱う技術の総称です。
ITにはコンピュータのハードウェアやソフトウェア、システムの設計や情報通信に関連するインフラや技術が含まれます。

 

また、業務のデジタル化やオフィスの自動化など、パソコンや情報機器、インターネットを用いて業務プロセスを効率化するための技術もITの一部です。
一方、IoTは物理的なオブジェクトやデバイスを結ぶ通信に焦点を当て、生活とデジタルを結びつけます。
ITは情報の取り扱いに特化しているのに対し、IoTは物理的なモノとデータの融合を指します。

ICTとの違い

ICTは「Information and Communication Technology」の略語で、情報伝達技術を指します。
ITとほぼ同じ意味ですが、ICTは情報や知識の共有に特に焦点が置かれ、人と人、人とモノの間での情報伝達、コミュニケーションがより強調されています。

 

一般的にITはコンピュータ関連の技術を指し、ICTはその技術を情報の共有やコミュニケーションに活用する方法を指すことがあります。

IoTの機能

IoT

IoTには、主に以下の4つに分類できます。

 

  • モノの操作ができる
  • モノの状態を知ることができる
  • モノの動きを察知することができる
  • モノ同士で通信できる

 

1つの機能だけではなく、複数の機能を使うこともできます。
それぞれの機能を詳しく紹介していきます。

モノの操作ができる

IoTの代表的な活用例は、遠隔からモノを操作する機能です。
たとえば、外出先からスマートフォンや他のデバイスを使って、自宅のエアコンや照明、ドアやシャッターなどの家電を制御できます。

 

また、IoT化されたペット用フードディスペンサーは、遠くからスマートフォンを通じてペットの様子を監視し、必要な量の食事を自動的に供給することができます。
この機能は単なる電源のON・OFFだけでなく、エアコンの温度や風量などの細かい設定も調整できるため、生活を便利にするのに役立ちます。
物を操作する能力は、快適さと利便性を向上するために幅広く活用されています。

モノの状態を知ることができる

IoTは、モノのセンサーからリアルタイムのデータを取得し、モノの状態を正確に把握します。
たとえば、通常のエアコンは室内の快適さを維持するために冷暖房機能を提供しますが、IoTを導入することで室温や湿度のデータを収集し、部屋の配置や人の活動を感知できます。
これにより、エアコンの利用時間帯を把握し、実際の状況を可視化したり、電力消費を最適化したり、情報を有効に利用できます。

モノの動きを察知することができる

IoTには、モノや人の動きから現在の状況を把握する能力が備わっています。
センシング技術とIoTを組み合わせることで自動運転技術が大幅に進歩し、建設現場などでの労働災害の減少が期待されています。

 

農業分野では、IoTを活用して温度、湿度、水位などの栽培環境に影響を及ぼす要因を検知し、自動で最適な環境を維持することが可能です。
同様に公共交通機関では、バスや電車の運行状況や混雑状況を待つ乗客がリアルタイムで把握できます。

 

このようにIoTを用いることで、モノの周囲環境や計測データの変動、人々の動きや生活などをリアルタイムで把握し、異常を迅速に検出して適切な対応が可能です。
モノや人の動きの重要な変化を見逃すことなく、現在の状況を的確に把握してリアルタイムで行動できるメリットがあります。

モノ同士で通信できる

IoTデバイスは相互に通信し、データを共有できます。
これは、人間を介さずにモノ同士が通信できるということです。

 

たとえば、自動車同士が交通情報を共有し、渋滞を回避するための最適な経路を提供することがあります。
この相互通信は、スマートシティや産業設備の最適化にも役立ちます。

 

また、再びエアコンの例を考えてみましょう。
エアコンをIoT化すると、就寝時に部屋の電灯を消した時に、自動的にエアコンもオフに切り替えることができます。
スマートスピーカーに「部屋が寒い」と声をかけると、エアコンの設定温度を調整することもできます。
モノ同士の通信により自動化が実現され、このプロセスにAI、5G、低消費電力の無線技術が加わると効果がさらに高まります。

IoTによる社会へのメリット

デジタルな社会

IoTの機能を見ると、さまざまなメリットがあることがわかります。
IoTがもたらす社会へのメリットは、以下の3つです。

 

メリット

  • 利便性が向上する
  • コストが削減できる
  • 新しいビジネスを創出できる

 

それぞれ詳しく解説していきます。

利便性が向上する

IoTの導入により、わたしたちの生活は格段に便利になります。
元々はインターネットとは縁遠い存在だった様々なモノが、互いに接続されることで、スマートフォンやパソコンからの遠隔操作が可能になり、センサーやカメラによってモノの状態をリアルタイムで把握することができるようになりました。
先ほど挙げたエアコン以外にも、IoT家電が急速に増えています。

 

たとえば、冷蔵庫はドアの閉め忘れをスマートフォンで通知し、食材の在庫を把握できます。
外出中でもロボット掃除機や洗濯機を遠隔から操作可能です。

 

さらに、玄関にスマートロックを設置すれば、カギを忘れても遠隔で施錠・解錠ができ、安心感を提供します。
IoTは私たちの生活に革命をもたらし、日常のさまざまな面で利便性を高めています。

コストが削減できる

IoTは、私たちの生活を便利にするだけでなく、企業においても大きなコスト削減の効果をもたらします。
たとえば製造業では、現場の温度計や水道メーターなどをIoT化することで、どこからでもデータをリアルタイムで確認できるようになり、現地への訪問や点検にかかる人件費が削減されます。

 

また、IoTを活用した工具や装置は作業の効率化や時間の短縮につながり、結果的にコストの削減に寄与します。
小売業でも価格札や広告を遠隔で管理できるほか、警備業務の自動化が可能であり、最近では無人店舗の導入も広がっています。

新しいビジネスを創出できる

さまざまなモノがIoTに接続されることで、多様で膨大なデータを取得する機会が広がります。
このデータを活用することによって、新たなビジネスチャンスが生まれます。

 

たとえば、枕やマットレスをIoT化してユーザーの睡眠データを計測し、快眠を促進するコーチングを提供する事例があります。
これを応用すれば、個別の寝具やサプリメントのパーソナライズされた提案が可能になります。

 

また、電気ポットをIoT化して、離れた家族を見守るサービスに展開するケースもあります。
モノとデータを組み合わせることにより、無限のビジネスへの可能性が開かれるのです。

NUNOでは、IoTの導入から人材育成までトータルで支援を行っています。
貴社ではどのプロセスでIoTを導入できるのか、ヒアリングをして最適な施策をご提案します。
IoTやDXでお困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。

 

https://d-nuvo.com/index.html

IoTの活用事例

デジタル

IoTデバイスは、さまざまな分野で幅広く利用されています。
それぞれの業界でどのように活用されているのか、具体的な活用事例を紹介します。

医療現場でのIoT

IoTは医療現場でも急速に進化しており、医療現場における深刻な人材不足の解決や、健康と生命を維持する効果が期待されています。
たとえば、「スマートベッドシステム」と呼ばれるIoT化された医療ベッドでは、患者の睡眠状態やバイタルサイン(呼吸数や心拍数など)を測定します。
この機能により、患者の体にセンサーを取り付けずに、ベッドサイドの端末やナースステーションから患者の状態をリアルタイムで把握できます。

 

また、遠隔診療の分野では、5G通信を活用して高品質の聴診音や画像をリアルタイムで送信することが可能となり、医療の遠隔提供範囲が拡大しています。
手術中に遠隔地の熟練医にリアルタイムで助言を受けることや、遠隔操作可能な医療ロボットの活用により、遠隔手術の実現が可能となる可能性もあります。

工場でのIoT

工場では、主に生産ラインでIoTデバイスが活用されています。
たとえば、稼働中の機器にIoTを組み込むことで、中央のPCから一元的な管理と制御が可能となります。
稼働中の機器から得られる情報を収集し、稼働状況の分析に役立てることができます。
これによって、業務効率の向上、異常検知、製品品質の安定化など、さまざまな利点がもたらされます。

 

さらに、カメラとIoTを組み合わせることで、現場の状況をリアルタイムで把握することも可能です。
従業員の作業が可視化されるため、作業中のトラブルの防止や適切な人員配置の効率化が実現します。

農業でのIoT

IoTやその他の技術を駆使し、労力削減や生産品質向上を目指す新しい農業の手法は一般的に「スマート農業」と称されます。
農業労働者の多くが高齢化しているため、IoTを中心とした農業の変革が期待されています。

 

主要な農業機器メーカーはIoTを活用したサービスを提供しており、農業に関するさまざまな課題に対処できます。
GPSの位置情報や機械の稼働データを活用して、収穫量や作業時間のトラッキング、作付け計画、施肥設計、機械の監視などが簡単に行えます。
これにより、効率的な農業経営が実現し、生産性が向上します。

物流・輸送でのIoT

物流業界では、最新テクノロジーを活用して行うデジタル変革を一般的に「ロジスティクス4.0」と呼んでいます。
最近ではECサイト市場の急成長により、さまざまな商品を少しずつ、頻繁に配送することが多くなり、この課題に対処するためにIoTの利用が急速に進んでいます。
物流業界でのIoTの事例は、主に倉庫内のプロセスと輸送作業の2つにわかれます。

 

倉庫内プロセスでは、仕分け、棚入れ・棚卸し、ピッキングなどの作業にロボティクスを活用したシステムの採用が一般的です。
たとえばAmazonの倉庫では、ウェアハウス内での注文に応じて、棚が自動的に担当の作業員に移動するシステムが導入されており、人が倉庫内を歩き回る必要がありません。
このシステムにより、多数の注文を迅速に処理し、顧客への効率的な配送を実現しています。

 

輸送作業では、輸配送管理システム(TMS)にIoTを統合し、労働力の最適化や効率的な配送経路の確立など、輸送業務の可視化が実現されています。
今後は、無人航空機(UAV)を利用した空中輸送や自動運転トラックの実用化が期待されており、物流業界の未来がさらに進化することが期待されています。

社会インフラでのIoT

IoTは都市のインフラにも適用され、道路状況のモニタリング、エネルギー効率の最適化、公共施設の遠隔監視など、都市の持続可能な発展につながっています。
たとえば、バス停に設置されたQRコードを読み取ることで、バスの運行状況をリアルタイムで把握できます。

 

また、タクシーを呼ぶ際には専用のアプリを使用し、自分の現在地から簡単にタクシーを呼び出すことが可能です。
高速道路の渋滞情報や電車の運行遅延情報がリアルタイムで提供され、ユーザーは最適な移動ルートを選択できます。
社会インフラにもIoTが活用されることで、移動の効率性が向上し、利用者にとって大きな利益がもたらされています。

飲食業でのIoT

飲食業界では、主に顧客向けと企業向けの2つにIoTが展開されています。
顧客向けのIoTとして、タブレットを使用したオーダーシステムが急速に普及しています。
今までは従業員に声をかけたり、呼び鈴を鳴らしたりして注文を行っていましたが、今ではタブレットデバイスを介して簡単に注文できるようになりました。
これによりユーザーは注文プロセスが簡単になり、飲食店側は人件費削減や注文のヒューマンエラーの軽減などのメリットがあります。

 

企業向けのIoTは、POSシステムとの統合や予約管理システムの利用があります。
POSシステムは、売上高、顧客層、商品の売れ行きなどの情報を会計時に集計できますが、これらのデータを分析することで、効果的なマーケティング施策の策定が可能です。
さらに、タブレット情報と統合することで、会計処理の効率化にも貢献しています。

防犯上でのIoT

IoTを活用した防犯システムは、さまざまな安全性を向上し安心を提供しています。
身近な例では、スマートタグと呼ばれるデバイスが注目を集めています。

 

スマートタグは、貴重品や鍵などの紛失を防ぐために使用されます。
スマートタグを好きなアイテムに取り付け、スマートフォンと連携させることで、紛失したアイテムを見つけるのに役立ちます。
タグから音を鳴らすことができ、アイテムをどこに落としたかも特定できます。

 

また、ある自治体では、子どもの安全を確保するために見守り端末機を小学生全員に配布しています。
この端末は子どもの位置情報をリアルタイムで提供し、万一の場合には迅速な捜索が可能です。
保護者は子どもの安全を見守ることができ、IoTは防犯と安全性の向上にも大いに貢献しています。

IoTを導入するうえでの課題

デジタル

IoTの導入は多くのメリットがありますが、一方でいくつかの課題も存在します。
IoTを導入する際の課題を紹介します。

 

課題

  • 人材の確保が難しい
  • セキュリティ対策が重要
  • ヒューマンエラーへの対策が必要

人材の確保が難しい

IoTプロジェクトを遂行するためには、IoT技術に精通した人材が必要です。
しかし、IoTの分野は急速に進化しており、適切なスキルを持った専門家の不足が問題となっています。

 

総務省の令和3年版情報通信白書でも、特に日本企業において、「IoTの導入を先導する組織や人材」が他国に比べて不足しているとの指摘がされています。
特にIoTデバイスの設計やセンサー技術、データ分析に関するスペシャリストは限られており、競争が激化しています。

 

さらに日本は少子高齢化や人口減少が進行しており、将来的には人材不足が一層深刻化すると予測されています。
IT人材の教育は着実に進展していますが、人材確保は現時点からの重要な課題となるでしょう。
企業は人材の獲得と育成に注力する必要があります。

セキュリティ対策が重要

IoTデバイスは多くの場合、インターネットを通じてデータを送受信します。
これにより、セキュリティの脆弱性が生じる可能性が高まります。
IoTによって収集・蓄積されるデータは、企業にとって非常に貴重な情報資産となりますが、その取り扱いには充分なセキュリティ対策が欠かせません。

 

もしシステムに欠陥があったり、サイバー攻撃に晒されたりすれば、顧客の個人情報データが漏洩する可能性があり、大きな被害をもたらす可能性があります。
セキュリティ対策はIoTプロジェクトにおいて最優先事項であり、常に最新のセキュリティプロトコルを適用し、脅威に対処する必要があります。

ヒューマンエラーへの対策が必要

IoTシステムは自動化されたプロセスを通じて動作しますが、人間による操作や保守作業も欠かせません。
人間にはヒューマンエラーがつきものであり、この要素を考慮しなければなりません。

 

IoTを導入し何らかのタスクを自動化する場合、開発や設定の段階で人為的な誤りが発生する可能性があります。
これがセキュリティ上の脆弱性を形成し、サイバー攻撃の標的となるリスクを高めます。

 

開発段階におけるヒューマンエラーを完全に防ぐのは難しいため、運用段階でも定期的なメンテナンスとともに、攻撃に対するダメージを最小限に抑えることが必要です。
ヒューマンエラーが起きてしまうことを考えて、二重または三重のセキュリティ対策を常に実施しましょう。

まとめ

スマートシティ

この記事では、IoTの仕組みや事例について説明しました。
IoTは、モノ同士をインターネットを介して接続し、情報のやり取りを可能にする仕組みです。
IoTは現代社会において不可欠なテクノロジーであり、私たちの生活を便利にしてくれる存在です。
インターネットに接続するデバイスの数は急速に増加しており、IoTの技術は今後も進化し続けるでしょう。
情報化社会に乗り遅れないために、IoTを導入し人材を育成していくことが重要です。

 

NUNOでは、IoTの導入から人材育成までトータルで支援を行っています。
ヒアリングや事業分析のもと、適した形でIoTの導入を支援します。
IoTやDXでお困りの際には、ぜひ一度ご相談ください。

 

https://d-nuvo.com/index.html

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