代表的なマーケティングの手法一覧!目的や活用方法をご紹介
企業が売上を拡大させるために、マーケティングは欠かせません。
適切なマーケティング施策を打てれば事業は順調に伸びますが、一方でマーケティング施策に失敗すると、そのまま事業の縮小や失敗にも繋がります。
最近はインターネットやテクノロジーの発達のおかげもあり、豊富なマーケティング手法が誕生するようになりました。
数ある選択肢の中でどんなマーケティング手法を活用すべきかは、狙うべきターゲットや自社の商材など様々な要素によりけりです。
最適なマーケティング手法を導き出す上では、事前の綿密な分析も求められます。
本記事ではマーケティングとはそもそも何なのか、また具体的なマーケティング手法やマーケティング戦略立案前に行うべき分析手法を詳しく解説しているので、参考にしてください。
何から始めたらいいのかわからないな…。
どんな手法があってどんな効果があるのか、紹介していきますね!
マーケティングとは
マーケティングとは簡単に言うと商品やサービスが売れる仕組みを作ることです。
企業がマーケティング施策を成功させると、わざわざ顧客に対して「買ってください」とプッシュをしなくても、自動的に商品やサービスが売れるようになります。
「もしドラ」というベストセラーを執筆したことで有名なピーター・ドラッカーは「理想的なマーケティングは販売を不要にするものだ」とも述べています。
顧客が商品やサービスを選んでくれるようにするためには、「こんな商品があったら良いな」「いま抱えている困りごとを解決したい」という顧客のニーズをしっかりと吸い上げて施策を打つことが重要です。
ただし一口にマーケティングと言っても種類は1つではありません。
扱う商材や狙っているターゲット層、市場環境など様々な要因によって、取るべき適切なマーケティング手法は異なります。
マーケティング戦略とは
マーケティング戦略とは競合他社に対してどのように差別化を図り、顧客が自社商品・サービスを選んでくれる仕組みを考えることです。
効果的なマーケティング戦略を立案するためには、以下3つの要素が重要になります。
- セグメンテーション
- ターゲティング
- ポジショニング
それぞれの要素の具体的な内容について、詳しくチェックしてみましょう。
セグメンテーション
セグメンテーションを日本語訳すると「分割」という意味です。
マーケティング的には市場や顧客を性質、ニーズなどにしたがって分類するという意味になります。
セグメンテーションは利益を最大化するために非常に重要です。
セグメンテーションせずに市場全体にマーケティングをすると、消費者が多くなるため売上が大きくなることが期待できますが、一方でコスト負担も大きくなるため、結果的に利益率が下がってしまいます。
少ないコストで大きな利益を出すことが企業の目指すべき姿なので、市場全体にマーケティングを行うのは実は賢い手法とは言えません。
企業の資本や人的リソースにも限りがある以上、最適な資本分配をしながら利益率の最大化を図るために、綿密なセグメンテーションが求められます。
ターゲティング
セグメンテーションが完了した後は、どのセグメントに対して商売をするのかというターゲティングを行います。
自社の持っている商品やサービスが、どのセグメントに最も刺さるのかを考えるというイメージです。
例えばスポーツウェア専門店が瞬発力系を向上させるような製品を開発したとしましょう。
その場合は、スポーツ市場をセグメンテーションした上で、陸上の短距離走選手やサッカー選手が最適なターゲットになります。
逆に瞬発力よりも持久力が重視される長距離走選手や野球のピッチャーなどは適したターゲットとは言えません。
利益を最大化するためには、選択と集中が最重要です。
そのためしっかりとニーズの調査や競合との比較、自社商品の魅力などを踏まえて最適なターゲティングを行うことを目指しましょう。
ポジショニング
ポジショニングは狙いを定めたターゲットの中で、自社がどの立ち位置にいるかを考える作業です。
特定のターゲットの中で利益を最大化するためには、同じターゲティングを行っている競合他社と比較して、特に自社商品やサービスのどこに優位性があるのかを明確にする必要があります。
消費者が数ある選択肢から商品を選ぶ際は、コレという決め手が必ずあるはずです。
もちろん消費者によって何を最終的な判断材料とするかは異なります。
具体的には価格、機能、買いやすさ、アフターサポートなど様々です。
ポジショニングを通じて自社最大の優位性を明確にできれば、後はその優位性を推し進めるためのマーケティングを考えるという段階になります。
代表的なマーケティング手法
マーケティングと一口に言っても手法は多くあります。
どのマーケティング手法を活用すべきかは、狙っているターゲット層や自社の扱い商材などによりけりです。
特に代表的なマーケティング手法について、内容や活用方法を詳しく解説します。
webマーケティング
Webマーケティングはインターネット(Webサイト)を活用するマーケティング手法です。
例えばSEO対策を通じてGoogle検索で上位表示させることによって、集客するといった方法があります。
また広告費を払ってリスティング広告を出稿するのも一例です。
近年はインターネットやテクノロジーの発展が急速に進んでおり、Webマーケティングは最重要かつ最も効果的なマーケティング手法と言っても良いでしょう。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは消費者に対して役に立つ情報を発信しながら行うマーケティング手法です。
上述したWebマーケティングの手法の1つにコンテンツマーケティングも含まれます。
オウンドメディアの運営が一般的でしたが、最近はSNSや動画によるコンテンツマーケティングの手法も増えてきました。
すぐに売上に直結しなくても、コンテンツマーケティングを通じて自社のファンを増やしておくことで、将来的な売上拡大に繋がる可能性が広がります。
SNSマーケティング
SNSマーケティングもWebマーケティングの一種です。TwitterやTikTok、InstagramなどのSNSアカウントを活用してマーケティング活動を行います。
近年は中学生や小学生といった若年層にもスマホが普及しており、SNSが自社との最初の接点になるというケースも少なくありません。
うまくバズレばあまり費用を投じなくても一気に自社の認知が広まる可能性があります。
他のマーケティング手法に比べても、SNSマーケティングの拡散力は抜群です。
特に若い世代向けには、SNSマーケティングで高い効果を期待できます。
動画マーケティング
動画マーケティングもSNSマーケティングの一種で、動画系のSNSを活用します。
長編動画ならばYouTube、短編動画ならばTikTokやInstagramなどがおすすめです。
動画を活用すると自社の商品がどんなもので、どんな使い方をして、どんな効果を期待できるのか、より具体的に消費者にイメージさせることができます。
消費者としてもイメージが明確化すれば実際の購買行動を起こしやすくなるでしょう。
5Gの普及などによって今後はさらに動画の視聴時間が長期化することも予想されるだけに、早めに動画マーケティングに注力しておけば将来的に大きな効果も期待できるでしょう。
メールマーケティング
メールマーケティングはメルマガの配信などを行う手法です。
しかし最近の消費者はメルマガの受信のような受け身なスタイルではなく、Web検索やSNSを活用して自発的に情報を検索するようになっているので、以前と比較すればメールマーケティングの効果は下がっていると言われています。
それでも40代以上など、比較的年齢が高い層へのマーケティング手法としてメールマーケティングはまだまだ効果的です。
O2Oマーケティング
O2Oマーケティングとは、オンライン上での活動を通じて消費者が実際にオフラインでの行動を促すことを目的としています。
例えば飲食店がTwitterでリツイートしてくれたユーザーに対して、割引クーポンをDMで送付するというような手法が一例です。
また最近は真逆の手法で、実店舗などのオフラインからオンラインでの行動を促すこともO2Oマーケティングの一種と考えられるようになりました。
例えば実店舗に設置しているQRコードをスマートフォンで読み込むことにより、自社ECサイトで使える割引クーポンを進呈するといったような手法もあります。
インバウンドマーケティング
インバウンドマーケティングは一般的な押しのマーケティングではなく、引きのマーケティングです。
消費者を自社の商品やサービスにひきつけた後は、消費者自身でより自社の商品やサービスに興味を持ってもらうことを促します。
いわゆる「クロスセル」という考え方によく似ています。
例えばビールを購入した人は一緒におつまみも購入したくなる、という心理をうまく利用するのがインバウンドマーケティングです。
消費者自身が能動的に情報や商品を得るために行動するので、「厄介」「面倒くさい」といったネガティブな感情を抱かれにくいというメリットがあります。
またインバウンドマーケティングを通じて得た顧客はファンとして定着しやすく、LTVも大きくなりやすいのが特徴です。
アウトバウンドマーケティング
アウトバウンドマーケティングはインバウンドマーケティングの対義語です。
見込み客に対して営業をかけることで購入を促すような手法を指します。例えばDMを送付したり、テレビCMを放映したりといった方法が一例です。
どれだけ良い商品やサービスを作ったとしても、消費者に認知してもらわなければ当然売れることはありません。
特に自社の知名度や認知が低い状況においては、積極的にアウトバウンドマーケティングを行うことが求められます。
しかしインバウンドマーケティングとは違って、アウトバウンドマーケティングはやりすぎるとネガティブな印象を持たれやすいのがデメリットです。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、芸能人やYouTuberなどのインフルエンサーにPRを依頼する手法です。
著名人が自社に変わって宣伝をしてくれるので、フォロワーを中心として一気に認知は拡大します。
ターゲティングとフォロワーが見事に一致しているインフルエンサーを見つけられれば、マーケティング効果はかなり高められるでしょう。
「好きな人が宣伝しているから」といった理由で購買行動を起こす消費者も少なくないので、インフルエンサーマーケティングはかなり効果的な手法です。
SNSの拡散力もあいまって、大きな効果が期待できます。
代表的なマーケティングの分析手法
効果的なマーケティング戦略を実行するためには、事前の分析は必須です。
マーケティング効果を最大化するためには、長い時間をかけてでも分析作業を行う必要があります。
実際にマーケティング戦略を立案するにあたって、有効性が高い代表的な分析手法について詳しく解説します。
STP戦略
STP戦略はSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取った分析手法です。
まずは市場をいくつかの性質やニーズに応じたセグメントに分け、その中でどのセグメントを対象とするのがターゲティングを行い、ターゲットの中で自社の優位性を明確化するという流れで分析を行います。
限られたリソースの中でマーケティング効果を最大化するために、STP戦略は欠かせない手法です。
3C分析
3C分析とはCustomer(顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)の3つの頭文字を取った分析手法です。
3つの要素を分析する中で市場の中における自社の強みや弱みを探します。
弱みとなる部分は解消しつつ、強みの部分を伸ばすことにより事業の成功確率を高められるのが特徴です。
消費者に選ばれるためには他社にはない強みや優位性を持つことが不可欠なので、マーケティング効果を高めるためにも必須の分析手法と言えるでしょう。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析とは、自社を取り巻く5つの要素を分析の対象とする手法です。具体的には以下の5つが分析対象となります。
- 既存の競合他社
- 新規参入企業
- 売り手の交渉力
- 買い手の交渉力
- 代替品の存在
上記5つの要素はいずれも自社にとってはビジネス上の脅威となる存在です。
ファイブフォース分析を通じて自社は競争で勝てるのか、それとも勝つのが難しいのかを検討できます。
どれだけ良い商品やサービスを作れても、競争環境が厳しすぎるならば収益には期待できません。
企業としてはやはり収益性の高い事業を求めていく必要があるため、ファイブフォース分析の結果次第では、事業を撤退するといった判断も求められます。
SWOT分析
SWOT分析とは以下4つの要素を分析する手法です。
プラス要因 | マイナス要因 | |
内部環境 | Strength(強み) | Weekness(弱み) |
外部環境 | Oppotunity(機会) | Threat(脅威) |
企業や自社のサービスが市場環境においてどんな立ち位置にいるかを把握する上で効果的な分析手法となります。
SWOT分析の結果、自社の強みが目立っており、売れる機会も多い(需要が大きい)と判断した場合は、事業をどんどん拡大するべきと判断できます。
一方で弱みが目立っていたり、他社の脅威が強すぎたりする場合は、事業展開を諦めるという判断も重要です。
SWOT分析は単体で行うのではなく、上述した3C分析などと併用することでより効果的な分析になります。
PEST分析
PEST分析は自社や他社といったミクロな視点ではなく、もっと大きなマクロの視点で分析する手法です。
PESTとは具体的にPolitics(政治)、Economy(経済)、Society(社会)、Technology(技術)の4つの要素を指します。
例えば飲食店をオープンしたいと考えていても、感染症拡大によって外食の機会が減っていたり、フードデリバリーといった新サービスが普及していたりする状況ならば事業成功は難しいと判断できます。
PEST分析の対象となる要素は自社の努力ではどうにもならないことも少なくありません。
無謀な事業に走らないためにも、しっかりとPEST分析を通じて長く展開できる環境があるのかを把握しておく必要があります。
バリューチェーン分析
バリューチェーンとは日本語に訳すと「価値連鎖」です。
開発した商品やサービスが顧客に届くまでの一連の流れの中で、どの工程でどんな価値が付与されているかを分析します。
そして一連の工程の中で、顧客の利益を最大化するためにはどの工程に最もリソースを投下するのが効果的かを考える手法です。
どんな付加価値を最大化すべきかは、消費者のニーズや悩みによっても異なります。
消費者に選ばれる商品やサービスを生産するためには、バリューチェーン分析を通じてどこに価値最大化のポイントがあるのかを把握し、ピンポイントで資本を投下することが重要です。
4P分析
4P分析とはProduct(商品)、Price(価格)、Place(販売場所)、Promotion(販促活動)の頭文字を取った分析のフレームワークです。
企業側の視点に立って、利益を最大化するためのマーケティング手法を検討します。
しかし4P分析だけを行うと、企業の主観的なマーケティング施策になりかねません。
最近は4P分析を顧客視点に置き換えた4C分析がより重要視されるようになりました。
結局顧客に選んでもらえる商品やサービスを展開しないことには意味がないので、まずは4C分析を踏まえた上で4P分析を行うといったように、他のフレームワークと連関させることが求められています。
VRIO分析
VRIO分析とはValue(価値)、Rareness(希少性)、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の4つの頭文字をとった分析手法です。
VRIO分析の対象となる4つの要素は、自社の競争優位性を確保するための内部環境として重要になります。
例えば価値の大きな商品やサービスがあるならば、厳しい競争環境でも戦うことができます。
一方で希少性があったり、模倣可能性が低かったりするならば、相手が少ないブルーオーシャンの事業を展開することが可能です。
自社のもつ様々な資源を事業で最大限活かせるか否かを判断する上で、VRIO分析はよく用いられています。
まとめ
マーケティングとは商品やサービスが売れる仕組みを作ることです。
マーケティング施策がうまく成功すると、コストやリソースをかけなくても順調に売り上げが拡大するようになります。
特に現代ではインターネットやテクノロジーの発展もあって、Webマーケティングやコンテンツマーケティング、SNSマーケティングなどで大きな効果を期待できます。
ただし実際にどんなマーケティング施策を行うべきかは、狙っているターゲットや商材の性質などにもよりけりです。
マーケティング施策の効果を最大化するためには、各種フレームワークを活用した分析も非常に重要となります。
本記事では代表的な分析のフレームワークも紹介しているので、これからマーケティング戦略を立案するという場合にはぜひ活用してみてください。
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